付録・てらポチの東京弁講座 語彙 (東京・多摩・埼玉・神奈川一帯)
>>> 大阪弁講座トップに戻る
>> 文法・文末表現へ

表の見方の説明です。

東京弁語彙 語彙共通語訳
備考
東京弁例文 例文共通語訳
東京弁
共通語
ア行
あさっぱら 朝早く
「あさっぱらから精が出るねぇ」 「朝早くから精が出るねぇ」
あったかい、あったけぇ 暖かい、温かい
「あったかくなってきたね」 「暖かくなってきたね」
ありゃ、ありゃあ あれは
「ありゃあ一体何だ?」 「あれは一体何だ?」
あるって(歩って) 歩いて
「このまま歩ってきゃあ分かるよ」 「このまま歩いて行けば分かるよ」
あんま あまり
「あんま興味ねぇなぁ」 「あまり興味がないなぁ」
いっとう(一等) 一番
東京のすぐお隣・埼玉県南部で耳にした方言です。
「一等最初にしなくっちゃいけないね」 「一番最初にしなくてはいけないね」
うざい、うぜぇ 鬱陶しい
若者言葉。多摩弁「うざったい」より派生したそうです。
「あいつまじうぜぇ」 「あいつ本当に鬱陶しい」
うざったい、うざってぇ 不快だ、気持ち悪い
多摩弁です。
「雨に濡れちまってうざったい」 「雨で濡れてしまって不快な感じだ」
えばる 威張る
「ちょっと利口だからってえばんじゃないよ」 「少し賢いからといって威張るんじゃないよ」
おうよ そうだよ、そのとおりだよ
神奈川県出身の友人が相槌に使っていました。
「あれ?髪短いじゃん」「おうよ。昨日散髪行って来たんだよ」 「あれ?髪が短いじゃないの」「そうだよ。昨日散髪に行って来たんだよ」
おっかける(追っ駆ける) 追い駆ける
「追っ駆けなきゃ逃げられちゃうよ」 「追い駆けなければ逃げられてしまうよ」
おっこちる(落っこちる) 落ちる
「溝に落っこっちゃった」 「溝に落ちてしまった」
おっつける(押っ付ける) 押し付ける
東京のすぐお隣・埼玉県南部で耳にした方言です。
「壁側におっつけときゃいいよ」 「壁側に押し付けておけばいいよ」
おっぱらう(追っ払う) 追い払う
「あんな奴、俺が追っ払ってやるよ」 「あんな奴、俺が追い払ってやるよ」
おっぺす(押っ圧す) 押す、押し込む
東京のすぐお隣・埼玉県南部で耳にした方言です。字面の通り、「強く押す」「押し込む」場合に使うそうです。
「そこのボタン、絶対おっぺしちゃ駄目だからな!」 「そこのボタン、絶対に押してはいけないからな!」
カ行
かったるい、かったりい やる気が出ない、(これから何かを行うのが)面倒くさい
東京のすぐお隣・埼玉県南部で耳にする方言です。東京多摩地区や神奈川県での使用も確認しました。
「かったりいなぁ、もうけえろうかなぁ」 「やる気が出ないなぁ、もう帰ろうかなぁ」
かたす(片す) 片付ける
部屋の片付け等の収納、仕事を片付ける等の処理、どちらの「片付ける」にも使用できるそうです。
「さっさと片しなさい」 「さっさと片付けなさい」
きもい 気持ち悪い、気色悪い
若者言葉。そういえば「きもい」って、気分が悪い場合の「気持ち悪い」には用いられませんね…。
「ちょっとー、マジきもいんだけどー」 「ちょっと、本当に気色悪いのだけれども」
くんない くれない
単独でよりも、頭に動詞を伴った時の方が「くんない」に変化しやすいです。
「ねぇ、一緒に来てくんない?」 「ねぇ、一緒に来てくれない?」
けえる(帰る) 帰る
東京のすぐお隣・埼玉県南部で耳にした方言です。
東京でも高齢層では使われるかと思いますが、残念ながら東京では生で聞いたことがありません。
「そろそろけえるとするかな」 「そろそろ帰ろうかな」
けっぽる 蹴る、蹴飛ばす
東京のすぐお隣・埼玉県南部で耳にした方言です。
「遠くまでけっぽっちゃえ!」 「遠くまで蹴飛ばしてしまえ!」
こりゃ、こりゃあ これは
「こりゃもう駄目だろ」 「これはもう駄目だろう」
サ行
しくだい 宿題
「今日はしくだいやんなきゃなんなくてさぁ、遊べないんだよ」 「今日は宿題をやらなくてはならなくてね、遊べないんだよ」
しゃあない、しゃあねぇ しょうがない
「無くなっちまったものはしゃあねぇよな」 「無くなってしまったものはしょうがないよな」
しょっぱい、しょっぺぇ (1)塩辛い
(2)しけた
(1)「海の水みてぇにしょっぺぇや」
(2)「しょっぺぇ話だなぁ、ったく」
(1)「海水のように塩辛いよ」
(2)「しけた話だなぁ、全く」
しんじく 新宿
「しんじくに行く日に限って中央線が止まる」 「新宿に行く日に限って中央線が止まる」
しんない(知んない) 知らない
「またそんな事してぇ…怒られたって知んないよ?」 「またそんな事して…怒られたって知らないよ?」
すごい(凄い)、すげぇ 凄い、凄く
特徴としましては、本来連用形で表現される場面において、終止形のまま用いられる事があることが挙げられます。
「お前、その格好、すげぇ変だから」
「すごい頑張ってるね」
「お前、その格好、凄く変だよ」
「凄く頑張ってるね」
すっころぶ(すっ転ぶ) 勢いよく転ぶ
「さっきそこですっ転んで恥ずかしかったよ」 「さっきそこで勢いよく転んで恥ずかしかったよ」
すっとぶ(すっ飛ぶ) 勢いよく飛ぶ
「すっ飛んでイスタンブールへ」 「勢いよく飛んでイスタンブールへ」
すみっこ(隅っこ)
「隅っこまできちんと掃除しなくっちゃ」 「隅まできちんと掃除をしなくては」
そりゃ、そりゃあ それは
「そりゃないでしょ」 「それはないでしょ」
タ行
ため 同学年(同い年)
遠州弁起源説や東北地方の方言としても紹介されているのを見かけるので、東日本共通の語彙なのかもしれません。
「俺とあいつ、ためなんだよ」 「俺とあいつは同学年なんだよ」
ちげぇ 違う
若者言葉。かなりぞんざいな表現だと思います。
「ちげぇよ、おめぇじゃねぇよ」 「違うよ、お前じゃないよ」
ちっさい、ちっせぇ 小さい
「ちっさくて見えねぇ」 「小さくて見えない」
ちっちゃい (=ちっさい、ちっせぇ)
つっぱしる(突っ走る) 勢いよく走る
「あんま突っ走ってるとすっ転ぶぞ」 「あまり勢いよく走っていると勢いよく転ぶぞ」
でかい、でけぇ 大きい
品位の高い場面での使用はあまり宜しくないと考えられていると思われます。
「あんまでかい事を言うもんじゃないよ」 「あまり大きな事を言うものじゃないよ」
ナ行
にゅうばい(入梅) 梅雨、梅雨入り
「そろそろ入梅かしらねぇ」 「そろそろ梅雨入りするかしらねぇ」
ねぇ 無い
ぞんざいな表現です。
「どこにもねぇっつうこたぁ
誰かが持って行っちまったんじゃねぇか?」
「どこにも無いという事は
誰かが持って行ってしまったのではないか?」
ねっころがる(寝っ転がる) 寝転がる
「干したお布団に寝っ転がると気持ちいいね」 「干したお布団に寝転がると気持ちいいね」
のっかる(乗っかる) 乗る
「頭に何か乗っかってるよ?」 「頭に何かが乗っているよ?」
のっける(乗っける) 乗せる
「駅まで乗っけてってくんないかなぁ」 「駅まで乗せて行ってくれないかなぁ」
ハ行
はじ(端) 端 (読み:はし)
「このはじを渡っちゃ駄目なんだってさ」 「この端を渡ってはいけないという事だそうだよ」
はじっこ(端っこ)
「端っこじゃなくてもっと真ん中へ来なさい」 「端ではなくてもっと真ん中へ来なさい」
ぱち
若者言葉。ぞんざいな表現です。
「ぱちこいてんじゃねぇよ」 「嘘をつくんじゃないよ」
ばっか ばかり
「馬鹿ばっか」 「馬鹿ばかり」
はなっから(端っから) 初めから、端から
「端っから信用しねぇっつうのはどうなんだろうねぇ」 「初めから信用しないというのはどうなんだろうね」
ぶつ 叩く
「顔はぶたないで。私、女優よ」 「顔は叩かないで。私は女優よ」
ぶっこむ(ぶっ込む) 入れる
「カバンに強引にぶっ込んじゃえ」 「カバンに強引に入れてしまえ」
ぼっこす 壊す
東京のすぐお隣・埼玉県南部で耳にした方言です。
「ぼっこしちゃっちゃあ大変だ」 「壊してしまっては大変だ」
ほっぽる 放っておく、放置する
東京のすぐお隣・埼玉県南部で耳にした方言です。
「下手にいじくるよりほっぽっといた方がいいって」 「下手にいじくるより放っておいたほうがいいって」
ほんと 本当
「ねぇ、ほんとの事を言って!」 「ねぇ、本当の事を言って!」
マ行
まっつぐ 真っ直ぐ
「ここをまっつぐ進んだら明治通りに出られるから」 「ここを真っ直ぐ進んだら明治通りに出られるから」
まんまんなか(真ん真ん中) 中心、最も真ん中
「ど真ん中」は共通語としての地位を確立しているように思われますが、元々は近畿方言等、西日本系の語彙でした。
「ここが銀座の真ん真ん中」 「ここが銀座の中心」
みっける(見っける) 見つける
「見っけた!」「えへへ、見っかっちゃった」 「見つけた!」「えへへ、見つかってしまった」
めっける (→みっける)
ヤ行
やだ 嫌だ
「お見合いなんて絶対やだからね」 「お見合いなんて絶対嫌だからね」
やっかむ 妬む
名詞形は「やっかみ」です。
「あんまりあいつの事、やっかんじゃ駄目だよ?」 「あまりあいつの事を妬んではいけないよ?」
やっぱ やはり
「やっぱコーヒーでしょ」 「やはりコーヒーでしょ」
やな 嫌な
「やな事忘れましょ」 「嫌な事は忘れましょう」
やんなる 嫌になる
「やんなっちゃった」 「嫌になってしまった」
ゆわく [髪を]結う、結ぶ、縛る
「髪をふたつにゆわく」 「髪をふたつに結ぶ」
よういじゃない(容易じゃない)、よういじゃねぇ 難しい
東京のすぐお隣・埼玉県南部で耳にした方言です。
「こいつぁ容易じゃねぇな」 「これは難しいな」
よす(止す) やめる
「止しなさい」 「やめなさい」
ワ行
わかんない(分かんない)、わかんねぇ 分からない
「そんな事言われたって全然分かんない!」 「そんな事を言われても全然分からない!」
わるい(悪い)、わりぃ ごめん
軽い謝罪として、男性がプライベートな場面で用いる事が多いです。
「悪い悪い、待った?」 「ごめんごめん、待った?」
>>> 大阪弁講座トップに戻る
>> 文法・文末表現へ
inserted by FC2 system